

店の前まで来たところで、突然彼女は立ち止まった。
「ねぇ、ヒロシぃ」 「ん?どうした、よし子」
「ホントに大丈夫かなぁ…」 「どうしたんだ、急に?」
「あたしって別にそんなに可愛くないし、こんなメイクしただけで、綺麗になれんのかなぁ。
何か恥ずかしいな」
手元のパンフを見ながら彼女は言った。
「ふっ、よし子らしくないぞ? お前は十分、今でも綺麗だよ」
「ホントに?」 「あぁ。 ただ、今日はいつもと違うお前を見てみたいし、こういう形で二人を記念に残しておくのも悪くないだろ?」
「そうね。 確かに、姿格好を変えるだけで、新しい自分を発見出来たりするかもね?」
「それにな」 「ん?」
「人は、外見がたとえ普通だとしても、内面的に美しければ、その人は既に美しいのさ」
「・・・」
「お前は性格美人だし、今でも十分綺麗だけど、この後今よりもっと綺麗になられたら、
俺にはいくらお釣りがあっても足りないよ」
「ヒロシ・・」
「…じゃあ、その少ないお釣りで、ここの店の料金を支払ってもらおうかしら?」
「そうだな。 ただその料金は高くつくだろうから、分割払いにしてほしいな」
「いいわよ、何回払いにする?」
「じゃあ、・・一生払いで」
「えっ…?」
「だから・・ずっと一緒にいてくれるかい?」
「…よぉーし、言ったわねー。 じゃもう絶対、一生かけて払ってもらうんだからっ!」
「ははっ。 よし、望むところだ」
そして彼女達は寄り添いながら、店の中に入っていった…。
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■変身スタジオ かつら |
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それは、たかおボスからの命令で始まった。
「てめぇ、ちょっと取材行ってこいや。」
疲れがピークに達してくると、突如として「リセットッ! リセットッ!」と叫びだしたり、表参道ヒルズの事を「表ヒルズにさぁ・・」と、意表を突く省略形を使う様な上司の言う事は、絶対なのだ。
こうして急遽、私は食べていた昼飯(スープスパ的なやつに、おにぎりを細かく砕きかき混ぜたもの)を辺りにブチ撒けながら、外に飛び出した。
「済みません、写真撮っても宜しいですか?」 「えぇ、どうぞ」 「あぁ、どうもあざーす、ぐへへ」
ぐへへ、とは言ってないが、取りあえず店内をパシャパシャやる。
今回「義志」に来たのは、ミス・ユニバース2007世界大会で優勝した森理世さんがその時実際に着た着物衣装を展示するという情報をキャッチしたからである。 あと、2006年ミス・ユニバース準優勝の知花くららさんが着用した甲冑(かっちゅう)も併せて展示している、との事。
知花くららって、そういえばこないだナイナイサイズに出てたな。 かなりよく笑う人だったな。 笑い上戸の人、俺、好きだな。 とか考えてると、その衣装を発見。
6/6付の私のブログで倖田來未プロデュースの浴衣について書いた際、その浴衣も良かったと言及したが、今回の浴衣もこれまた良いね。 何つうんでしょう、スタイリッシュな印象はありつつケレン味がない様な、でも今風というか。
今回着物がフューチャーされていたが、他にもTシャツやパンツ、くつ等もあるので、要チェックや。俺もまとまった金が出来たらここに買いに行こう、リストバンドを。
そうした決意を胸に、「義志」を後にしたのだった。 もちろんスープスパの麺は鼻から飛び出たままで。 完
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■「義志(よしゆき)」
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