モコモコ博士の建物観察ゼミ
2012.08.01

第33回「岡本太郎記念館」

未だに静かに爆発している住宅兼アトリエ

岡本太郎記念館は爆発してた芸術家・岡本太郎の住まいとアトリエだった所です。現在は岡本太郎記念館となり喫茶スペースも完備する小さな私設美術館ですね。所在地は港区南青山6-1-19、ブルーノート東京の裏手の方にあります。

岡本太郎記念館
エントランス部分

喫茶のお店が入る向かって左側の建物は新たに増築されてまして、こちらは鉄骨の構造駆体に押出し成形セメント板を張ったような建物です。 外壁に大きく顔をモチーフにした作品が目立ってますので直ぐに判ります。右手側の昔からの住まいの方は、コンクリート・ブロックを使った鉄筋コンクリートの建物で、1953年に竣工してますので、既に60年近く使われている建物です。コンクリート・ブロック、ご存知ですよね、そう、住宅の塀などによく使われるブロックです。構造計算上はコンクリート壁構造としての扱いで、床などのスラブと呼ばれる水平部位は通常の鉄筋コンクリートになっているはずです。

岡本太郎記念館
全貌は見えませんが住居部分
岡本太郎記念館
二階部分です

今の時代では、このコンクリート・ブロックを建物に使う事はたまにあります。壁のコンクリートを打設するときに型枠を必要としないというメリットは大きく、建設コストの低減に繋がります。
実は、私はこの建物に触発されて、都内板橋区に同じような住宅を設計しています。鉄筋コンクリートの建物でありながら、チョッと高額な木造住宅並みの建設コストで建ちます。木造の構造駆体の寿命は30年ですが、こっちは倍の60年です。結果的には安価な構造駆体費用ではあります。

岡本太郎記念館
これがモコモコ博士設計の住宅
岡本太郎記念館
裏の方に回るとツタが生えてます

この旧岡本太郎邸を設計したのは、恐れ多くも巨匠・坂倉準三です。半世紀以上も前に、このコンクリート・ブロックを使って岡本太郎の住まい兼アトリエを作ってしまったことに驚きを感じます。当時の常識では全く想像できない構法であったはずですし、住空間の仕上げ材としても、当時の人は躊躇し思いもよらなかった素材の提案だったはずです。それを由とした岡本太郎の太っ腹も立派なのです。後世に残る建築は斬新なアイデアを持ち込める建築家とそのアイデアを許容できる建て主とが相まってできるモノであることをこの建物は証明しています。

岡本太郎記念館
コンクリート・ブロックです
岡本太郎記念館
住居部分の裏手になります
岡本太郎記念館
裏の駐車場門扉


フランス帰りの2人の巨匠

岡本太郎記念館
ネット- Wikipedia(太陽の塔)より引用

戦前のパリ、ソルボンヌ大学にいてピカソに衝撃を受けた岡本太郎とパリ工科大学で建築を学びフランスのコルビジェに師事した坂倉準三の2人は、この住まいの計画案を挟んでどんな話をしたのでしょう。当時、坂倉52才、岡本42才の二人の男が面白がって造った岡本太郎の生活と仕事の場です。

昔、EXPO’70大阪万博と言うのがあって、そこに「太陽の塔」と呼ばれる巨大なモニュメントを作ったのが岡本太郎ですが、万博開催期間中この塔の目玉のあたりに立てこもった輩がいて、大騒ぎになった事がありました。その時、岡本太郎は「イカスねぇ。ダンスでも踊ったらよかろうに。自分の作品がこういう形で汚されてもかまわない。聖なるものは、常に汚されるという前提をもっているからね(以上、ウィキペディア/岡本太郎)」と言い放ち、若き革命的建築学徒だった私を喜ばせました。さすが岡本太郎との印象を持ったのです。


同じような事が今年(2011年)5月に起こりました。渋谷のJRと井の頭線を結ぶ連絡通路に飾られている巨大壁画「明日の神話」の右下隅に何者かが3.11の地震・津波による福島第一原発事故を思わせる絵を付け加えた事件です。多くのマスメディアは悪質なイタズラと評しましたが、私はこのイタズラを評価します。岡本太郎記念館の館長のコメントも「太郎が生きていても、別に怒らなかったと思いますよ。『ふーん』というだけでしょう」でした。悪質なことは一切ありません。むしろ岡本太郎の壁画をリスペクトさえしているように思います。

明日の神話
渋谷の巨大壁画「明日の神話」

岡本太郎記念館
未だに庭から社会を見つめています

世の中に、ストリート・アーティストと呼ばれる人がいますが、彼らはアートを通して社会に強烈な問題提起を行っています。アメリカのBanksyやフランスのZevsなどが著名ですが、かつての岡本太郎も爆発のアートでもって多くの問題提起をした人です。その彼の爆発を作り出していた拠点がこの建物です。20世紀を代表する日本の芸術家として、84歳で亡くなるまで、彼の仕事場兼住いとして、この住居は彼の活動を支えてきたのです。言わば、この家は岡本太郎の起爆剤、導火線です。

その起爆・導火線を設計した坂倉準三という建築家も凄い人なのです。建築界の世界3大巨匠の一人、フランスのル・コルビュジェに師事し、日本国内に多くの作品を残し、自分亡き後も坂倉建築研究所が彼の偉功を継いでいます。このサイトの第22回で「ビラ・モデルナ」を紹介していますが、どの作品を見ても建築に対する真摯な姿勢が見て取れます。常に建築の設計を学ぶ若い学生諸君の師であり、尊敬に値する建築家なのです。

岡本太郎記念館の開館時間は、10:00~18:00(入館は17:30まで)。火曜日が休館(祝日の場合は開館)で、観覧料は一般 600円となっています。かつて表参道にいた2人の巨匠の爆発現場を見に行ってみましょう。


ビー) 太陽の塔、実物でみたことあるけどすごく良かったよ
カー) 渋谷駅にある「明日の神話」も大きくて迫力あるよね
ビー) うんうん。
カー) ビーも何か作品を作ってみたら?
ビー) んーそうだね。ビーカー業界のカリスマと僕は言われているからね
カー) 一言も言われてないけどね
ビー) おもてサンドの歴史に残る作品を作ってみようかな
カー) お、いいねー!今すぐ作りはじめたら。
ビー) ・・・・
カー) ん?どうしたの??
ビー) お腹痛いから今度にする。。
カー) え、、そ、、そう、、、。
 
 
 

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